コミュニティについて

日本におけるAPIマネジメントプラットフォームの普及に向けて、
OSSであるKongゲートウェイを中心に活動します


いまやウェブ、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ウェアラブルやIoT機器などの様々なデジタルソリューションが活用され、場所や時間を問わずサービスにアクセスすることが当たり前の時代になりました。また企業活動においては、近年注目されてきた社外データ連携/ビジネス連携だけではなく、社内におけるデータやアプリケーション共有にも注目が集まっています。企業はより効率的なフレームワークを求めており、また、SPA(Single Page Applications)のようなより優れたエンドユーザー・エクスペリエンスを提供する目的からも、API主導のコネクティビティに対する需要が高まっています。こうした背景から、APIマネジメント市場は、2030年までの間、年平均21.2%の成長が見込まれています。(*1)


一方で、APIのセキュリティ対策が充分ではないと、市場成長の妨げになるリスクがあります。マイクロソフトが公表しているDigital Defense Report 2021(*2) によると、『1週間あたり250億以上のルールがWAFでトリガーされ、うち約4%から5%に悪意が認められた。攻撃も、SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのインジェクション型攻撃から、悪意のあるボットによる攻撃やAPIの悪用へと進化してきた。』とのこと。高度なセキュリティ管理機能が実装されているAPIマネジメントの導入により、個別にセキュリティ対策を検討する必要がなくなるため、 市場における高機能APIプラットフォームへの注目が急速に高まりつつあります。また、組織情報や個人情報などの機密データを保護する視点からは、APIマネジメントのデータフィルタリング機能が重要な役割を果たします。

このように、APIマネジメントの重要性は高まる一方ですが、日本市場では、日本語で発信される情報が少なく、開発者を中心としたコミュニティ活動が必ずしも活発ではないことから、この分野におけるナレッジ共有や蓄積が不十分です。また、世界で最も使われているOSS APIプラットフォームである「Kong」の認知度も高いとは言えません。グローバルのKong OSSプロジェクトは活動が非常に活発です。世界16万人のコミュニティメンバーが活躍しています( https://konghq.com/community )。またグローバルのKongミートアップは、世界44ヶ国、79のグループで開催されています( https://www.meetup.com/ja-JP/pro/kong/ )。しかしながら日本では、まだ表立った活動は行われていない状況です。

このような背景から、この度日本におけるAPIマネジメントプラットフォームの普及に向けて、OSSであるKongゲートウェイを中心に活動するKong Community, Japanを設立いたしました。参加者各位が実践事例や研究成果を発表することで、参加者が考え、自らのビジネスで実践し、競争力強化の源泉となりうるAPIマネジメントプラットフォームの活用を検討してゆくことを目的とします。新機能などを試し、検証された際にミートアップで話す、ブログ投稿することは、他のユーザーにとってとても有益なものとなります。APIマネジメントプラットフォーム関する日本語コンテンツはまだまだ少なく、このような活動はユーザーにとってとても貴重であると考えています。そのためにも参加者は情報収集のみを目的とすることなく、各々の業務における活用事例などを積極的に意見発表・交換する場として本コミュニティを活用してください。

【参照リンク】
(1) https://www.marketresearchfuture.com/reports/api-management-market-2429
(2) https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RWMFIi